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木高くは かつて木植ゑじ ほととぎす
木高くは かつて木植ゑじ ほととぎす 来鳴きとよめて 恋増さらしむ
(巻10-1946)
※かつて:決して、絶対にの意味。
※恋増さらしむ:ホトトギスへの恋が増すの意味に解釈する。男女間の恋愛感情とは解釈がしづらい。
高木となるほどには、決して木を植えないことにする。
ホトトギスが飛んで来て、鳴き騒いで、ますますホトトギスが恋しくなってしまうから。
作者は、よほどホトトギスの鳴き声に執着があるらしい。
しかし、その執着心に、実は作者自身が困っている。
だから、木を高くして、ホトトギスに注目されるような庭にはしたくない。
そんなことになれば、ホトトギスが飛んで来ては鳴き騒ぎ、ホトトギスへの恋心が増し、仕事も何も手につかなくなるのかもしれない。
ホトトギスの鳴き声フェチなのか、現代人では、およそ考えられない歌。。




