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今さらに 君はい行かじ 春雨の
今さらに 君はい行かじ 春雨の 心を人の 知らずあらなくに
(巻10-1916)
今さら帰ることなどありえないでしょう。
春雨の心を知らない人とは思えませんので。
降り続いて止まない春雨の心は、恋する夫を帰したくない妻の心。
だから、私の心を知っている貴方は、この春雨の中、帰ることなどありえない(認めません)と、強く引き留める。
何とも言えない強気の女性の歌。
これでは男性も出掛けようにも、とても難しい。
そのまま、お尻にひかれてとなるのが、目に見えている。




