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今行きて 聞くものにもが 明日香川
今行きて 聞くものにもが 明日香川 春雨ふりて たきつ瀬の音を
(巻10-1878)
今すぐにでも行って、聞きたいものです。
明日香川に春雨が降り注いで、勢いよく流れる瀬の音を。
これも作歌の事情が不明な歌。
明日香川に今すぐにでも行きたい、春雨が降り注いで勢いを増す明日香川の瀬音を聞きたいと言うのだから、かつてその付近に住んでいたか、あるいは愛着を覚えている人になる。
おそらく平城京で、仕事のストレスを抱え、少しでも気分転換をしたかったのか。
あるいは、明日香川の周辺に、愛人でもいたのか、それとも両方か。
なかなか、想像は尽きない。




