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見渡せば 春日の野辺に 霞立ち
見渡せば 春日の野辺に 霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも
(巻10-1872)
※「にほへる」の原語は「艶」。色の美しさを意味していて、香りではない。
あたりを広く見渡すと、春日野のあたりでは、霞が立ち、そこで艶やかに咲いているのは、桜でしょうか。
下手な訳よりは、歌のほうが、感覚としてわかりやすい。
広々とした春日野、春霞の中に、艶やかな桜、それも相当な数で咲き誇っている。
こうなると、見ているだけでは済まされない。
おそらく酒と肴を持ち、大宴会となったと思う。




