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古の 人の植ゑけむ 杉が枝に
古の 人の植ゑけむ 杉が枝に 霞たなびく 春は来ぬらし
柿本人麻呂(巻10-1814)
遠い昔の人が植えた杉の枝に、霞がたなびいている。
どうやら、春が来たようだ。
日本には、自生したものや、植林したものを含めて杉の山が多い。
また、昔から杉に神が宿ると考えられ、神社で多く祀られて来た歴史がある。
柿本人麻呂は、少し離れた場所から、植林された杉の山に立つ霞を見て、春到来と詠んだ。
さて、当時は、スギ花粉症は、なかったのだろうか。
マスクはなかったと思うけれど、万葉集をずっと読んで来て、花粉症の歌はない。




