表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万葉恋歌  作者: 舞夢
605/1385

妻に与えた歌と、妻からの反論

妻に与へし歌一首

雪こそは 春日消ゆらめ 心さへ 消え失せたれや 言も通はぬ

                      (巻9-1782)


妻の和せし歌一首

まつがへり しひてあれやは 三栗の 中上り来ぬ 麻呂といふ奴

                      (巻9-1783)


右の二首は、柿本朝臣人麻呂の歌の中に出づ。


※まつがへり:「しひて」の枕詞。鷹の松返りから。鷹が戻るべき手許ではなく、高い松の木に返ってしまう意味と思われる。

※しひてあれやは:「しふ」は身体に障害がある意味。

※三栗の:「中」の枕詞。

※中上り:地方官が任期中に報告のため、京に上ること。

※麻呂:男性の一般名詞。


妻に与えた歌。

雪だけが春になれば解けて消えると思っていたけれど、あなたは私への気持ちまで消え失せてしまったようです、全く何も連絡がないので。


妻が答えた歌。

あなたのほうこそ、どこかおかしいのではないですか。

私に逢おうと、中上りもして来ないのですから。

その麻呂という奴は。


設定としては地方に赴任した夫と、京で待つ妻。

柿本人麻呂が、夫と妻の立場で、宴会で詠んだ歌との説もある。


いずれにせよ、これは妻の勝ち。

古代から、男性は、口では女性にかなわないということだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ