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山高み 白木綿花に 落ちたぎつ
式部大倭の芳野にして作りし歌一首
山高み 白木綿花に 落ちたぎつ 菜摘の川門 見れど飽かぬかも
(巻9-1737)
※式部:式部省(当時の朝廷の人事部のような部署)
※大倭:未詳。
※菜摘:奈良県吉野郡吉野町菜摘。宮滝の東、少し上流。
吉野の高い山から、白い木綿の花のように、純白に落ちて、流れていく菜摘の川の渡り場は、いつまで見ても飽きることはありません。
養老七年(723)の笠金村の「山高み 白木綿花に 落ちたぎつ 滝の河内は 見れど飽かぬかも(909)」と、ほぼ同じ。
過去の歌を参考に、字句を変えただけ。
古代では、著作権法などはなく、ほぼ自由に利用していたと思われる。




