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ひさかたの 月夜を清み 梅の花
紀小鹿女郎の歌一首
ひさかたの 月夜を清み 梅の花 心開けて 我が思へる君
(巻8-1661)
この清らかな月夜に、梅の初花も開きました。
私の心の門も開いて、愛しい貴方をお待ちしております。
相当な意訳になるけれど、おそらくこの趣旨と思う。
清らかな月夜、梅の開花、そうなると愛しい人を迎えたくて仕方がない。
この素晴らしい夜を、心から、もちろんそれ以上に、一緒に味わいたい。
作歌事情がはっきりとしていないけれど、おそらく梅の花を見ながらの月見の宴。
清らかさと、華やかさを感じるような名歌と思う。




