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沫雪の この頃継ぎて かく降らば
大伴坂上郎女の歌一首
沫雪の この頃継ぎて かく降らば 梅の初花 散りか過ぎなむ
(巻8-1651)
沫雪がこれほどまでに降り続いてしまうと、楽しみにしていた梅の初花も、散り失せてしまうのではないでしょうか。
相当連日、寒い日や沫雪が降り続いたのだろうか。
その寒さと雪の冷たさに苦しみ、せっかく咲き始めた梅の初花が散ってしまうことを心配する。
実にわかりやすい歌であるけれど、込められた心は、デリケートなもの。
坂上郎女の人柄も感じられるような、見事な雪梅の歌である。




