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たな霧らひ 雪も降らぬか 梅の花
安倍朝臣奥道の雪の歌一首
たな霧らひ 雪も降らぬか 梅の花 咲かぬが代に そへてだに見む
(巻8-1642)
※安倍朝臣奥道:天平宝字六年(762)正月従五位下。若狭守。大和介。左兵衛。内蔵頭などを歴任。万葉集中にこの一首のみ。続日本紀には「息道」と記す。
この一面かき曇った空から、雪でも降って来ないだろうか。
梅の花が咲く時期ではないけれど、せめてその代わりとして見たいので。
宴席における座興の歌と思う。
せっかくの宴会なのに、よほど天気が悪かったのか。
少しは目を楽しませたい、実感としてわかりやすい歌。




