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万葉恋歌  作者: 舞夢
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佐保川の 水を堰き上げて 植ゑし田を

尼の頭句を作り、幷に大伴宿祢家持の、尼に誂へられて末句等を続きて和せし歌一首


佐保川の 水を堰き上げて 植ゑし田を(尼作る)

刈れる初飯は ひとりなるべし(家持続ぐ)

                             (巻8-1635)

尼が上の句を作り、そして大伴宿祢家持が尼に頼まれて下の句を作って答えた歌一首


佐保川の水を堰き止めて水を引き苦労して植え育てた稲田から(尼が作った)

その思いと苦労が宿る稲を刈って炊いた新米のご飯は、田の主である貴方一人のもののはずと思うのです(家持が作った)


尼は未詳。

大伴家持との連歌の形式。

日本における連歌の実質的な源流をなすと言われている。


巻8-1633、1634と同じ尼と思われているけれど、作歌事情が不明。

大伴家持から、何らかの支援を得ていた尼と、その娘らしい。

尼としては、苦労して育てた娘を下手な男に奪われたくもないし、しかし、今は現世を離れた尼の身分。

それだから、娘の将来を大貴族に大伴家持に委ねる気持ちで、下の句を頼んだのかもしれない。

ただ、大伴家持は、尼の娘を娶る気持ちがなかったのか、「まずはお母様である尼様のところに」と答える。

中途半端といえば、そうなるけれど、古来明確な事情を記したものはない。

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