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秋されば 春日の山の 黄葉見る
大原真人今城の、寧良の故郷を傷み惜しみし歌一首
秋されば 春日の山の 黄葉見る 奈良の都の 荒らるく惜しも
(巻8-1604)
秋になれば、春日山の素晴らしい黄葉を見られる奈良の都が、今は荒れてしまうのが実に惜しまれてならないのです。
遷都後の久邇京にあって、旧都奈良が荒れていくことを惜しむ歌。
久邇京は天平十三年から天平十六年(744)閏正月までの都になるので、天平十五年以前の作。
尚、大原今城は系譜未詳。家持と生涯を通じて交流のあった人。




