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山上臣憶良の七夕の歌(2)
ひさかたの 天の川瀬に 船浮けて 今夜か君が 我がり来まさむ
(巻8-1519)
右は神亀元年七月七日の夜、左大臣の宅にしてのものなり。
※神亀元年:724年。
※左大臣の宅:長屋王の邸宅。
天の川の渡り瀬に船を浮かべ、今夜こそ愛しい君が、私のもとにいらしてくれるのでしょうか。
織姫の立場で、牽牛が本当に来てくれるのか、と不安な気持ちを歌う。
長く待ち続けてきた、一年に一度の逢瀬。
約束とはいえ、それが実現するまでは、心細い。
遠距離恋愛をする人なら、誰でも感じる不安になる。




