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山上臣憶良の七夕の歌(1)
天の川 相向き立ちて 我が恋ひし 君来ますなり 紐解き設けな
(巻8-1518)
右は、養老八年七月七日に令に応ぜしものなり。
※養老八年七月七日の令:養老八年は神亀元年と同年。
養老八年の二月四日に東宮(聖武天皇)が即位、神亀と改元されているので、養老八年七月七日は、あり得ない。
また、山上憶良は養老五年正月十三日から、東宮(後の聖武天皇)に侍講として仕えているので、この「養老八年」は、養老五年、同六年、同七年の誤記。字の形態から言えば、「六」と「八」が似ているので、「六年」が有力。
天の川に向きあい立っていると、ついに私が待ち焦がれていたあの人がおいでになられるようです。
衣の紐を解いて、お待ちすることにいたします。
尚、中国の七夕伝説では、織姫が牽牛を訪れるけれど、日本で令に応じて詠まれたことから、妻問い婚を意識して、織姫が待つことになっている。




