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闇ならば うべも来まさじ 梅の花
紀女郎の歌一首 名を小鹿と言ふ
闇ならば うべも来まさじ 梅の花 咲ける月夜に 出でまさじとや
(巻8-1452)
闇夜なら、お越しにならないのも仕方がないのですが、こんなに美しく梅の花が咲いている月夜にも、貴方はお越しにならないのですか。
紀女郎は安貴王の妻。
家持にとっては先輩の妻であり、相当の年上。
恋愛関係は無く、歌のやり取りを楽しむ仲間だったようだ。
そういう関係はともかく「梅の花が咲く月夜」は、風情にあふれている。
ただ、現代の人の話題になることが、ほとんどないのを残念に思う。




