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芽花抜く 浅茅が原の つほすみれ
大伴田村の家の大嬢の、妹坂上大嬢に与へし歌一首
芽花抜く 朝芽が原の つほすみれ 今盛りなり 我が恋ふらくは
(巻8-1449)
※大伴田村の家の大嬢:大伴宿奈麻呂の娘。坂上大嬢の異母姉。
田村は佐保の西。現在の法華寺東辺の地。
※芽花抜く:「浅茅が原」の枕詞。「芽花」は茅萱の若い花穂。抜き取って食用とした。
芽花を抜く浅茅が原に生えている、つぼすみれのように貴方は可愛らしくて、私は恋しくてたまりません。
異母の姉妹であるけれど、古代は一夫多妻であって、当然にあり得た。
その中でも、田村大嬢にとって、坂上大嬢は可愛らしくお気に入りだったようだ。




