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風交じり 雪は降るとも
大伴坂上郎女の歌一首
風交じり 雪は降るとも 実にならぬ 我家の梅を 花に散らすな
(巻8-1445)
風に交じって雪は降っているようですが、我家の梅はまだ実になってはおりません。
花のままで散らしてはなりません。
「梅」は、まだ結婚年齢に達しない娘のたとえ。
「花のままで散らすな」は、軽率に結婚を申し込んではならない、との意味。
軽率な男は、まだ未熟な娘に結婚を申し込んでおきながら、待ちきれず他の女に声かけ、結局は破談になる可能性もある。
娘を思う母の心と理解する。
 




