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時は今 春になりぬと み雪降る
中臣朝臣武良自の歌一首
時は今 春になりぬと み雪降る 遠き山辺に 霞たなびく
(巻8-1439)
季節は、今、春を迎えました。
まだ雪が降り積もる遠い山のあたりに、霞がたなびいています。
雪山にたなびく霞に、待ち焦がれた春の訪れを喜ぶ歌。
これは、現代人であっても、実感できる風景と思う。
作者中臣朝臣武良自は、伝未詳。万葉集に一首のみ。
しかし、わかりやすく美しい歌。
その評価は、古来高く、古今六帖、新古今和歌集他、数々の和歌集に収録されている。




