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沫雪か はだれに降ると 見るまでに
駿河采女の歌一首
沫雪か はだれに降ると 見るまでに 流らへ散るは 何の花ぞも
(巻8-1420)
※駿河采女:駿河国駿河出身の采女。
※沫雪:白く細かい泡のような雪。
※はだれに:雪がはらはらと降る状態。
泡雪がはらはらと降るように見えてしまうように、流れ散るのは何の花なのでしょうか。
散る花を雪と見間違うとして、詠んだ歌。
花は、おそらく白梅で、梅を愛でる宴席での歌。
ただし、温暖な駿河(静岡県)では、ほとんど雪が降ることはない。
駿河采女は、上京して、淡雪の美しさを知ったのだと思う。




