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石走る 垂水の上の
志貴皇子のよろこびの御歌一首
石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも
(巻8-1418)
岩の上に流れおち、清々しい水しぶきをあげる滝のほとりを見ると、ようやくさわらびが可愛らしく芽を出す春になったようです。
天智天皇の第七皇子にして、光仁天皇、春日王、湯原王の父。
天武系が途絶えているので、現皇室の祖になる。
現代語訳もいらないような、日本人なら誰でもそのまま理解できる歌。
万葉集の中で、いや、日本の歌の中でも特筆すべき、春の喜びを歌う名歌と思う。




