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埋もれ木に寄せき
真鉋持ち 弓削の川原の 埋もれ木の あらはるましじき ことにあらなくに
(巻7-1385)
※埋もれ木:水中の泥に埋もれた木が、長い間に炭化し化石状態になったもの。
※真鉋持ち:弓削にかかる枕詞。鉋で弓を削る意味。当時の鉋は槍の穂先状の刃に木の柄をつけた槍鉋。
※弓削の川原:大阪市八尾市弓削付近を流れる長瀬川付近の川原。
弓削の川原の埋もれ木のように、見つからないで済むことが、難しいようです。
これも親や世間に秘めた恋愛関係の歌。
隠しているけれど、いれは見つかってしまう。
埋もれ木でさえ、人の目にとまり、掘り出されることもあるのだから。
そんな不安を詠んだ歌。




