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河に寄せき(5)
水籠りに 息づき余り 速川の 瀬には立つとも 人に言はめやも
(巻7-1387)
水の下に潜って、息苦しいのに耐えきれなくて、急流の瀬に立ったとしても、他人には本当のことは言いません。
息を潜めて隠して来た二人の関係が、他人に気づかれそうになったとしても、私は秘密を守ります、決して他人に言ったりはしません。
現代で言えば、不倫の関係がわかりやすい。
相手との本当の関係を秘したままにしておきたい。
愛を壊すようなことはしたくない。
だから、絶対に秘密を守る、その思いが浮かんでくる。




