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神に寄せき(1)
木綿かけて 祭るみもろの 神さびて 斎ふにはあらず 人目多みこそ
(巻7-1377)
※木綿:楮の樹皮を剥ぎ取って繊維をさらしたもの。この歌では、榊の枝などにつけた神霊の憑り代。
※みもろ:神を祭る所。神を祭るための土壇。
木綿をかけてお祭りするみもろの神様のように、穢れを避けているのでありません。
ただ、とにかく人目が多いのです。
これも、女性の歌と思われる。
あなたにお逢いしないのは、ただ、とにかく人目が多いのを避けているだけ。
決して、自分が神様のように、お高くとまっているのではありません。
「近寄りがたい」とでも、男に言われたのだろうか。
売り言葉に買い言葉のような、印象を持つ。




