438/1385
獣に寄せき
三国山 木末に棲まふ むささびの 鳥待つごとく 我待ち痩せむ
(巻7-1367)
※三国山:所在未詳。
三国山の梢に棲んでいるむささびが、鳥を待つように、私はあなたを待ち続けて、痩せてしまいます。
男の訪れが減った、または無くなってしまった女の歌と思う。
「三国山 木末に棲まふ」は、相当奥まった場所の表現か。
つまり、男との距離が遠くなっていることを意味する。
しかし、男が入って来たら、むささびのように男を捕食するのだろうか。
実際は、むささびは木の実や葉、樹皮を食べると言われているので、肉食系ではないとか。
いろいろ考えると、最近指名が減った遊女の歌のような気がする。




