437/1385
鳥に寄せき
明日香川 七瀬の淀に 棲む鳥も 心あれこそ 波立てざらめ
(巻7-1366)
※七瀬の淀:数多い瀬ごとにできた淀み
明日香川の数多い瀬に棲む鳥も、深い心があるからこそ、波風を立てるようなことをしないのに。
鳥であっても大騒ぎをしないのに、人間はとかく噂好きで喧しく情けないとの意味と思う。
とかく人は、噂好き。
少し見掛けただけでも、噂だけは、どんどん膨らんでしまう。
それなら、明日香川のあちこちの淀みにいる鳥のほうが、よほど思いやりが深くて、波風を立てず好ましい。
明日香川付近で行われた宴会での歌かもしれない。




