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稲に寄せき
石上 布留の早稲田を 秀でずとも 縄だに延べて 守りつつ居らむ
(巻7-1353)
※石上布留:奈良県天理市石上神宮の西方一角。
※縄:占有を示す幖縄。
石上の布留の早稲田は、まだ穂は出そろってはおりませんが、しっかり幖縄だけは張っておいてくださるようお願いいたします。
その時までは、私が守り育てますので。
石上布留の早稲田は、結婚年齢に達しない娘。
結婚までは、親が大切に守り育てることを、婚約者の男に約束する歌。
だから、婚約者にも、見捨てないで欲しいと詠う。
親にとって娘の良縁を守ることは大切なこと。
その親に見込まれる良い婚約者だったのだと思う。




