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玉に寄せき(1)
海の底 沈く白玉 風吹きて 海は荒るとも 取らずは止まじ
(巻7-1317)
海の底に美しい真珠が沈んでいる。
この美しい真珠は、風が吹いて海が荒れても、取らないではいられない。
「海の底 沈く白玉」は、親の厳しい監視を受けて、家の中奥深くにいる娘。
「風が吹きて海は荒るとも」は、親の厳しい監視と世間の噂のやかましさ。
しかし、恋する男は何があっても、娘と逢瀬を遂げずにはいられないと、強い気持を詠む。
やはり、それくらいの気持がないと、なかなか恋は成就しないのかもしれない。




