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糸に寄せき
河内女の 手染めの糸を 繰り返し 片糸にあれど 絶えむと思へや
(巻7-1316)
※河内:日本書紀では雄略朝前後に百済系を中心とする渡来人が河内に住み着いた。その後、染め織りや陶器作り、鞍作りの作業に従事した。当時の製造業の先進地だった。
※片糸:普通の糸が二本縒り合わせてあるのに対して一筋だけの糸。切れやすい。
片思いの表現。
河内の女たちが、その手で染めた糸を何度も糸車にかけて織ったのです。
片糸であろうと、切れてしまうなんて思いません。
簡単には思いは切れません、そんな女の決意だろうか。
 




