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玉に寄せき(2)
をちこちの 磯の中なる 白玉を 人に知らえず 見むよしもがも
(巻7-1300)
あちらこちらの磯の中にある真珠を、世間の人には知られず、見つけ出す手段が欲しい。
「磯」は、白玉(真珠)を採る際の障害物。
白玉(真珠)はおそらく障害物(親の厳しい監視)の中の娘。
それが「をちこち(あちらこちら)」というのだから、一人の娘に決めきらない男なのだろうか。
あるいは、男自身に魅力が乏しくて、あちらこちらの娘の親にも、娘にも相手にされない場合がある。
だから、恋愛成就に至る手段を知りたいと思う。
「また、あいつはフラれた」と世間の噂にも、なりたくないのだろうと思う。




