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時に臨みき(1)
月草に 衣ぞ染むる 君がため いろどり衣 摺らむと思ひて
(巻7-1255)
月草で衣を染めているのは、愛しい貴方のためなのです。
美しい色どりの衣を摺ろうと思っています。
月草は秋に藍色の小花を咲かせる露草の古名。
とにかく好きでたまらない男性にために、美しい衣を作ってあげたい。
そんな気持ちが、可愛らしく詠まれている。
最近の女子高生では聞かないけれど、昭和期の女子高生は、毛糸編みのセーターなどを彼氏のために、心を込めて編んでプレゼントしたという話を聞いたことがある。
とにかくスピード感を重視する現代社会、適当に店で買って渡すことが主流になったのだと思う。




