364/1385
摂津にして作りき(7)
時つ風 吹かまく知らず 吾児の海の 朝明の潮に 玉藻刈りてな
(巻7-1157)
潮時の風が吹いて来る時間のようです。今のうちに、吾児の海の夜明けの干潟で玉藻を刈ることといたしましょう。
旅人が、旅先の地で、玉藻を刈るのは、その土地の光景に引かれた風流ある行為だった。
住吉の 沖つ白波 風吹けば 来寄する浜を 見れば清しも
(巻7-1158)
住吉の沖の白波が、風が吹き出すと浜に打ち寄せて来るのです。
その様子を、見れば見るほど、私の心が清らかになるのです。
確かに浜に打ち寄せて来る波を見ていると、様々な雑念が消えて行くような思いになる。




