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万葉恋歌  作者: 舞夢
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摂津にして作りき(1)

しなが鳥 猪名野を来れば 有馬山 夕霧立ちぬ 宿りはなくて

                       (巻7-1140)

※しなが鳥:かいつぶり。におどりとも言う。ここでは猪名野の枕詞。

※猪名野:現兵庫県伊丹市猪名川流域の平野。

※有馬山:六甲山らしい。山麓に有馬温泉がある。


猪名の野をやって来れば、有馬山に夕霧が立ち込めてきているようです。泊まる宿も無いのですが。

旅の苦労を詠むとの解釈と、馴染みか、あるいは知り合った女性に共寝の宿を願うとの解釈もある。


武庫川の 水脈を早みと 赤駒の あがくそそきに 濡れにけるかも

                        (巻7-1141)

武庫川の流れが早いので、乗る赤駒のあがく水しぶきで、衣が濡れてしまいました。

当時の旅人は、旅先で衣服が濡れるのを敬遠したので、その旅の苦しみを詠む。

あるいは、それを口実に当地の女に、共寝の宿を願うとの解釈もある。


命をし 幸きくよけむと 石走る 垂水の水を 結びて飲みつ

                        (巻7-1142)

健康で幸せでありたいと願い、岩に注ぎかかる滝の清らかな水を、両手を結んで飲みました。

水質が良くて、有名な滝の水だったのだろうか。


尚、垂水を地名とする説(現吹田市の阪急千里線の豊津駅近く)があるけれど、都からの旅の歌とした場合に、猪名野、武庫川よりも手前になってしまい、歌の順番がおかしくなるので、これは単純に当時有名だった滝の水を飲んだとの説をとる。

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