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河を詠みき(8)
我が紐を 妹が手持ちて 結八川 またかへり見む 万代までに
(巻7-1114)
妹が紐 結八河内を 古の人さへ見きと ここを誰知る。
(巻7-1115)
私の衣の裾を妻の手が結い固める、その結うという名の、結八川。この川をまた来て見ようと思います、いついつまでも。
結八川の河内を、古代の人も皆見たと言うけれど、誰が知るのでしょうか。
結八川の所在は未詳。
その他の川が全て大和の川であったので、この結八川も大和と考えられている。
一首目が妻が自分の衣の紐を結び、二首目は自分が妻の衣の紐を結ぶ。
結八川のほとりで、秘密の逢引きをして、愛を語らったのだろうか。
二首目の「古の人さへ見きと ここを誰知る」が、難解とする学者も多い。
単純にとらえると、古代では有名なデートスポットであるけれど、最近(といっても1300年前の人になる)の人には、あまり知られていないとの意味になる。。




