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難波宮に幸したまひし時の歌六首(5)
ますらをは み狩に立たし 娘子らは 赤裳裾引く 清き浜びを
(巻6-1001)
右の一首は、山部宿祢赤人の作なり。
男性の官人たちは、帝の御狩の場に臨まれ、若い女官たちは赤裳の裾を引きながら歩いて行きます、この清らかな浜辺を。
住吉付近での狩は、潮干狩り。
男性官人が潮干狩りをして、赤裳の裾を引くうら若き娘たちもいる。
清き浜は、神の浜でもある住吉の浜への賛美。
行幸の中で、住吉の神聖な海から食をいただき、感謝の想いを詠む。
山部赤人らしい、素直な詠み方である。
 




