318/1385
かくしつつ 遊び飲みこそ
大伴坂上郎女の、親族に宴せし歌一首
かくしつつ 遊び飲みこそ 草木すら 春は生ひつつ 秋は散り行く
(巻6-995)
大伴坂上郎女が親族の宴で詠んだ歌一首
こうして今夜はこうして遊び楽しみ、お酒を召し上がってください。草木ですら、春は毎年生い茂り、秋には散ってしまうのですから。
草木にも盛衰があり、また人も同じ。
限りある命を大切に、楽しむ時はしっかり楽しみましょう。
大貴族大伴氏の刀自(取りまとめ役)として、宴会を主催した坂上郎女の歌である。
迫りくる藤原氏の陰険な謀略などは忘れて、目の前の宴会を楽しみましょう、そんな含意もあるような気がする。
 




