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み吉野の 象山のまの 木末には
反歌二首
み吉野の 象山のまの 木末には ここだも騒く 鳥の声かも
(巻6-924)
ぬばたまの 夜のふけゆけば 久木生ふる 清き河原に 千鳥しば鳴く
(巻6-925)
※象山:吉野離宮付近で吉野川に流れいる象の小川をはさみ、東の三船山に向かいあう山。
麗しい吉野の、象山の山あいの梢には、実に多く鳴き騒ぐ鳥の声が聞こえてきます。
夜が更けていくと、久木の生える清い河原で、千鳥が鳴き続けています。
吉野離宮では清い川が流れ、あちこちの梢から鳥が大合唱する声が聞こえてくる。
それは、山部赤人の時代でも、今でも変わらない。
平城京を遠く離れ、大自然の中、山を愛で、花や鳥、清い川の流れを感じ、リフレッシュといった感じなのだと思う。




