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万葉恋歌  作者: 舞夢
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大伴田村の家の大嬢の、妹坂上大嬢に贈りし歌

大伴田村の家の大嬢の、妹坂上大嬢に贈りし歌四首


外に居て 恋ふれば苦し 我妹子を 継ぎて相見む 相見む事計りせよ

                           (巻4-756)

遠くあらば わびてもあらむを 里近く ありと聞きつつ 見ぬがすべなさ

                           (巻4-757)

白雲の たなびく山の 高々に 我が思ふ妹を 見むよしもがも

                           (巻4-758)

いかならむ 時にか妹を むぐらむの 汚きなどに 入れいませてむ

                           (巻4-759)



離れていて恋い慕っているだけでは辛いのです。貴方といつでもお逢いできるように、取り計らって欲しいのです。


本当に遠く離れていれば逢えない辛さもどうにもならないのですが、これほど里が近いとわかっていながら、逢えないのは、より辛いのです。


白雲がたなびく山の高いように、私は貴方のことを高く慕っているのです。何とか逢う手立てはないでしょうか。


いったい、いつになったら、貴方をむぐらの生い茂る汚い私の家にお迎えできるのでしょうか。



田村大嬢と坂上大嬢は、大伴宿奈麻呂を父とする異母姉妹。

坂上郎女は田村大嬢の母が亡くなった後に宿奈麿と婚姻したらしい。

また田村の家と坂上の家は、ともに法華寺の南北にあり至近。

異母姉妹とはいえ年齢も離れていたこともあって田村大嬢には坂上大嬢が妹として可愛くて仕方がなかった。

あるいは大伴家持との関係に悩む坂上大嬢を、心配していたのかもしれない。

むぐらの生い茂る汚い家は、自宅を謙遜しているに過ぎないけれど、やがては婿殿(家持)と晴れて一緒に来てもらうことを願ったのかもしれない。

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