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万葉恋歌  作者: 舞夢
251/1385

更に大伴宿祢家持の、坂上大嬢に贈りし歌15首(3)

我妹子が 形見の衣 したに着て 直に逢ふまでは われ脱かめやも

                          (巻4-747)

恋ひ死なむ そこも同じそ 何せむに 人目人言 こちたみ我せむ

                          (巻4-748)

夢にだに 見えばこそ あらめくばかり 見えずしあるは 恋ひて死ねとか

                          (巻4-749)


貴方から贈られた形見の衣を下着として、直接にお逢いするまでは脱がないことにします


恋死することと、逢瀬の後に辛い思いをするのも、同じことと思うのです。それを何故にいまさら、人目や噂を気にすることがあるでしょうか。

※こちたみ:「言痛こちたし」のミ語法。


せめて夢には現れてくれればいいと思うのですが、これほど夢にも現れないのは、私に恋死にしろとおっしゃるのですか。



とにかく坂上大嬢が好きで仕方が無い大伴家持は、衣を送られれば下着として、直接逢うまで脱がないと詠む。

憧れの人と握手をして、手を洗わない人が現代でもいるけれど、家持氏と同じで、衣服を送られても同じようにする人がいるのではないだろうか。

恋死も逢瀬の後も辛いことは同じ、だから今更世間に何を言われようと気にしない、だからもっと、胸を張って逢いたい、一種の開き直りらしい。

そう言いながら、夢に出てこないと不安になって、恋死にしろと言うのですかと、笑ってしまうような駄々をこねる。


関係の無い他人が読めば、熱いなあと思うけれど、これが恋する時期だけの特権で、懐かしいような、うらやましいような気がしてくる。

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