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大伴宿祢家持の、娘子に贈りし歌(4)
つれもなく あるらむ人を 片思ひに 我は思へば 苦しくもあるか
(巻4-717)
私には実に冷たいような人に片思いをしているので、苦しくてどうにもなりません。
どんなに恋していても、冷たくスルーされてしまう。
おそらく、その人の心には、私などはいない。
苦しくてどうにもならないけれど、また恋し続ける。
かくして、片思いの海に、もがき続ける。
実る可能性のない恋こそ、その思いは強くなるのだろうか。
「簡単に落ちる相手など、面白くない」
そんなことを、光源氏が語っていたことを思い出す。




