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粟田女郎子の、大伴宿祢家持に贈りし歌(2)
またも逢はむ よしもあらぬか 白たへの 我が衣手に 斎ひとどめむ
(巻4-708)
もう一度、お逢いできる手段はあるのでしょうか。
お逢いできたら、私の衣の袖に あなたを大切に留めておくのですが。
※斎ふ:神聖なものとして、あがめる。この歌の場合は「大切に」と訳した。
「もう一度お逢いしたら、抱きしめて離しません」などは、普通の女性では現代の女性でも、なかなか口にしない積極性と懇願性に満ちる。
となると、宴会でお相手をする女性、現代風にいえば、コンパニオンのような気がする。
「商売上手」という歌なのかもしれない。




