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河内百枝娘子の、大伴宿祢家持に贈りし歌(2)
ぬばたまの その夜の月夜 今日までに われは忘れず 間なくし思へば
(巻4-702)
お逢いした夜の月を、今日まで私は忘れずにいます。
いつも、あなたのことを、思っておりますので。
これも、一般の女性と、遊女なのかで、趣が違う。
一般の女性であれば、純粋に月夜の逢瀬を懐かしみ、恋心も、継続しているということ。
遊女となると、大伴家持は「金払いの良い上客」。
言葉巧みに、「月夜の忘れられない熱い思い出が・・・」と、次の「来店、ご指名」をおねだりする歌となる。




