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河内百枝娘子の、大伴宿祢家持に贈りし歌(1)
はつはつに 人を相見て いかにあらむ いづれの日にか また外に見む
(巻4-701)
ほんの少し貴方をお見かけしたのですが、またいつの日にかは、遠くからお見かけすることができるのでしょうか。
※河内百枝娘子:伝未詳。河内の遊女説がある。
※はつはつに:ほんのちょっと、少し。
やはり大伴家持は、朝廷で重きをなす名門大伴家の御曹司。
普通の家の若い女性かの歌とすれば、身分違いも甚だしいので、自分に声をかけて来るなどは、やはり期待できない。
たまたまに、ほんの少し見えたくらい、またいつか、遠くから見ることができるのだろうかと、憧れと身分違いの辛さを詠う。
それに対して、遊女説に立つと、今回は、ほんの少ししかお相手ができませんでした。
また、何時の日にか、少しでもお相手ができるのでしょうか、との「来客誘導」の歌となる。




