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万葉恋歌  作者: 舞夢
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坂上郎女 言ふことの 恐き国そ

言ふことの 恐しき国そ 紅の 色にな出そ 思ひ死ぬとも

                       (巻4-603)


人の言葉や噂の恐い国なのですから、恋に苦しんで死ぬようなことがあっても、決して表情になど出してはなりません。


言霊の国においては、人の言葉や噂が、死を招くようなことになりかねない。

個人の死だけではなく、家族や一族にまで、怖ろしい結果をもたらすこともある。

あの栄華を誇った長屋王でさえ、根拠の薄い告げ口にて、妻子を含めて悲惨な最期となってしまった。

それを考えれば、恋の思いとて、他人に気取られるような表情に出すべきではない。

下手に表情に出せば、それは邪推の原因となり、一族に悪い結果をもたらさないとも限らない。


坂上郎女は、大伴家持の叔母にして、大伴一族を支えていた。

表面上は、勢力著しい藤原氏と上手にやってはいるものの、いつ寝首をかかれるのかわからない。


この歌は、単なる相聞ではなく、大伴一族全体への戒めのような気がする。

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