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石上 降るとも 雨につつまめや
大伴宿禰像見の歌一首
石上 降るとも 雨につつまめや 妹に逢はむと 言ひてしものを
(巻4-664)
雨が降ったとしても、妨げられることはない。
愛しい貴方に、逢うと約束したのだから。
※石上:石上神宮のある「布留」の地名と同音で、「降る」にかかる枕詞。
逢う約束をしたのなら、雨が降ろうと、どうだろうと妨げられることはない。
必ず、愛しい貴方と逢瀬を遂げる。
実に単純にして純粋。
若い恋心に満ちた、歌と思う。
愛する男性に、こんな歌を贈られた女性は、ますます恋心が高まるのではないだろうか。




