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万葉恋歌  作者: 舞夢
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大伴家持の和せし歌二首

今更に 妹に逢はめやと 思へかも ここだくわが胸 いぶせくあるらむ

                            (巻4-611)

なかなかに 黙もあらましを 何すとか 相見そめこむ 遂げざらまくに

                            (巻4-612)


こうなってしまった以上、今さら貴方にはお逢い出来ないと思うからでしょうか。

これほど、私の心が苦しいとは。


そもそも、黙っていればよかったと思います。どうして貴方との逢瀬を重ねてしまったのでしょう。実るような恋ではないとわかっていたのに。


大伴家持の笠女郎からの24首のうち、離別後に贈られてきた最後の二首に答えた歌になる。


これから会えなくなって私も苦しい。

どうせ実らぬ恋ならば、声をかけずに、再びの逢瀬など重ねなければよかった。

一説には、「別れ」てからも、肉体関係は少々続いたとも言われている。

そんな関係の中、笠郎女の哀しいまでに大伴家持を思う心に対して、家持は言い訳のように自分も苦しいのですと返す。

特に「なかなかに~」の歌は笠女郎にとっては、禁句の連なり。

「声などかけなければよかった、黙っていればよかった」、「何で再び貴方と逢瀬し、抱いたのだろう」、「どうせ結婚などできないのに」



「ただ、大貴族の御曹司に、心と身体をもてあそばれただけだった」

笠女郎も、こんな不実な返しでは、何のなぐさめにもならなかったのではないだろうか。

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