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笠女郎の、大伴宿祢家持に贈りし歌(1)
わが形見 見つつ偲ばせ あらたまの 年の緒長く われも思はむ
(巻4-587)
※あらたまの:年にかかる枕詞。
私の形見の品を、私と思って偲んでください。
私もいつまでも貴方を思います。
笠女郎の大伴家持に贈った24首の歌の最初の歌。
贈り物に添えての歌と思われる。
笠女郎は、大伴家持に相当恋い焦がれていたらしく、24首もの相聞の歌を残している。
さて、この最初の歌は、まだ家持との恋愛の初々しい時期のものされている。
「贈り物を私と思って、偲んでください、私もずっと貴方を思っている」
実に可愛らしく、新鮮な恋が浮かんでくる。
※次回以降、選びながら紹介したいと思います。