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二月、式部大輔中臣清麻呂朝臣の宅に於て宴せし歌十五首(5)
梅の花 咲き散る春の 長き日を 見れど飽かぬ 磯にもあるかも
(巻20-4502)
右の一首は、大蔵大輔甘奈備伊香
梅の花が咲いては散る、春の長い一日と同じで、見飽きることがない、磯の松なのです。
大伴家持は、前の歌で、移り行く八千草の花よりも、松の変わらぬ姿を褒めた。
この歌は、梅の花が散ることも褒め、松の変わらぬ姿も褒めた。
(主人宅の梅と池の松も褒め、宴会を盛り上げるため)
美しさに、差別をしてはならない、そんな思いからかもしれない。




