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時の花 いやめづらしくも かくしこそ
時の花 いやめづらしくも かくしこそ 見し明らめめ 秋立つごとに
(巻20-4485)
右は、大伴宿祢家持の作りしものなり。
季節ごとに美しく咲く花は、見れば見るほど、魅力のあるものです。
今は、ご覧になられているままに、その御心でお楽しみください。
秋が立つごとに。
孝謙天皇、あるいは聖武天皇の御前を意識(あるいは幻想して)詠んだ歌とされている。
橘奈良麻呂の乱で、時の権力者藤原仲麻呂から、大伴家に寄せられる不審の目と策略に、心も疲れ、古き良き過去を懐かしみ、詠んだらしい。




