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万葉恋歌  作者: 舞夢
1367/1385

移り行く 時見るごとに 心痛く

勝宝九歳六月二十三日、大監物三形王が宅に於て宴せし歌一首。

※勝宝九歳六月二十三日:天平勝宝九歳(757)。

※大監物三形王:系譜未詳。


移り行く 時見るごとに 心痛く 昔の人し 思ほゆるかも

                    (巻20-4483)

右は、兵部大輔大伴宿祢家持の作りしものなり。


移り行く時勢の流れを見ていると、心は痛いほどに苦しく、昔の人を思い出してしまうのです。


時系列的に言えば、前年5月2日に、聖武天皇が崩御。

同、5月10日に一族の大伴古慈斐が朝廷批判の罪で拘禁。

この年、天平勝宝九歳(757)家持と関係が深い橘諸兄が1月6日に他界。

尚、もっと関係が深かった元正天皇は、9年前に崩御されている。

(つまり、家持を理解する人は、ほとんど他界している)


5月20日に、藤原仲麻呂が紫微内相となり、同日養老律令が施行。


この歌は、橘奈良麻呂、大伴古麻呂の陰謀が山背王により密告される5日前のもの。

家持も、大伴家の長として、この動きを察知していた。

(やがて、自分も、罪に問われることも)


大伴家にとって、古き良き時代(人々)を含めて、偲びたい。

しかし、仲麻呂全盛の時代、身の危険を感じての詠。

それを思うと、複雑な思いのこもった歌である。

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