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水沫なす 仮れる身ぞとは 知れれども
寿を願ひて作りし歌一首
水沫なす 仮れる身ぞとは 知れれども なほし願ひつ 千年の命を
(巻20-4470)
水のあぶくのようなはかない、仮の命の身と、十分に理解はしておりますが、それでもなお、限りなく命が続くことを願うのです。
これも病(聖武天皇崩御後の精神的ショックらしい)に臥した時の歌。
山上憶良の、
水沫なす 微き命も たく縄の 千尋にもがと 願ひ暮らしつ
(巻5-902)
しつたまき 数にもあらぬ 身にはあれど 千年にもがと 思ほゆるかも
(巻5-903)
そ踏まえた歌。




